「小山さんノート」 小山さんノートワークショップ 編
エトセトラブックス 発売2023年10月30日
2021追悼スタンディングのスピーチを紹介したZineが完成しました。ぜひ、手に取って読んでもらいたいです。
<序文>
2021年11月21日(日)夜7時、新宿アルタ前広場でスタンディングデモ「ホームレス女性殺害事件から1年 追悼と連帯のスタンディング」が開かれた。雨の中、集まった約70人の参加者は、キャンドルを手にリレートークを行った。
ここに、呼びかけ文とそれぞれのスピーチを記録する。彼女・彼女たちを忘れないために。 ノラ
11月のこの渋谷の事件と同じ年には、すでに1月に上野公園で暮らしていたホームレス女性が頭部から血を流して亡くなっていた事件がありました。
忘れたくない。
本日1月23日、上野公園に暮らしていたホームレス女性が、頭部から血を流して亡くなっていたのが見つかって3年になる。突然、何かに襲われたのか、事故なのか、未だにこの事件の真相究明がされていない。彼女の死が蔑ろにされたままであることは、年明けの賑やかさが過ぎて最も寒い時期がやってくると、想起させられ、重く沈むような気分がわたしを襲う。その気持ちを引きずりながら、ノラたちはどうしているのかと、明け方、歩き回りたくなる。
もちろん、事件が明らかにされたからよいというわけではない。渋谷区幡ヶ谷のバス停で殺害されたホームレス女性は、そこからいなくなればいい、痛い目にあわせればいなくなるだろうと、撲殺されたことがわかり、この事件がヘイトクライムだということを明確にした。ホームレス女性に向けられる暴力や、貧困者を切り捨てる社会を問うことになったものの、事件のあった渋谷では、区が憎悪をむき出しにホームレス排除を行っている。
わたしたちの命が、消されようとしていることやその圧力は、すさまじく大きいということを痛感している。
ネット上ではホームレス女性たちが慌てふためくことを面白がる動画が上がっているという。
個人や行政による、わたしたちへの侮蔑、いじめ。それが上野公園の事件や、渋谷区の撲殺事件を引き起こした。
ここで生きたホームレス女性の尊厳を、わたしたちはどのように取り戻せるのだろうか。でないと、わたしは、わたしたちは、ひたすらくるしい。考えあぐねる虚無感と、どうすることもできていないという無力感が渦を巻き闇の中に深く落ちていく。
M.I
11月16日早朝4時